今年夏から行っている「八段錦」の効果等を一覧にしました。
八段錦は古典的な経絡導引のひとつです。
第一段 双手托天理三焦
手の少陰心経・手の厥陰心包経・手の太陰肺経→心と肺に作用
足の厥陰肝経・足の少陰腎経→肝臓と腎臓に作用
「上焦通・中焦活・下焦穏(三焦)」を導き五臓六腑の調整
胃腸の働きも整える
第二段 左右開弓似射雕
手の太陰肺経・手の陽明大腸経→肺と大腸に作用
上焦の肺と下焦の大腸を動かすことで横隔膜の調整
深い呼吸を促し、血行促進
人体の気の流れは肺が支配し、肺気は腎に流れるので、肺気が強くなれば、腎(水)の流れが良くなる
足腰の筋肉強化、バストアップにも
第三段 調理脾胃須単拳
足の陽明胃経・足の太陰脾経→脾と胃に作用
両肩を動かすことで手の少陰心経も動かし、指先まで気血をいきわたらせ、肩こりや脾や胃の滞(停滞)気を流す
脾と胃が丈夫になると「後天の気(生まれてから食物などで作る気)」を多く作ることができる
免疫力アップも
第四段 五労七傷往后瞧
首を通るすべての経絡→五労(内臓の疲れ)と七傷(体、特に内臓や心の障害など)に作用
「五労七傷」は別で解説
「五労七傷」では、「虚(足りない)証」体質になってしまうが、脊椎周辺の気血を促し、大椎(首の後ろ面のツボ)を中心に情緒関係の病気改善と人体の寒熱を調節する
脳や目がすっきりし、手足が軽くなる
気持ちが落ち着くので、就寝前にも
第五段 揺頭擺尾去心火
手の少陰心経・足の少陰腎経→心と腎に作用
五行学説では、心は「火」で、悩みが多いと内部の「火」が燃えるため、発熱・イライラ・不眠・口の渇き・動悸の症状が出るとされる
馬歩の姿勢で、尾てい骨から頭まで、よくひねることによって、心火を排除する(不安や焦燥感を消す)動作となっている
心の緊張や不安感をやわらげたい時に
五行学説で腎は「水」なので、腎が強ければ心の火を収めることができる
第六段 両手攀足固腎腰
足の少陰腎経・足の太陽膀胱経・任督脈→腎と膀胱と全身に作用
腎は「先天の気(生まれる時に持っていた気)」を蔵するところで、発育や生殖機能・血液を作る脊髄を司るとされ、生命を決める臓器
腎気が不足すると精力が下降、骨が弱くなる、腰・膝の力が弱くなる、薄毛、物忘れ、耳鳴り、意識消沈、頻尿などの症状が出るので、腎気を増やす動作で、腰痛や坐骨神経痛、生殖・泌尿器系の症状改善に役立つ
この段は動作とマッサージの両方による効果を狙っている
腰痛予防にも
第七段 攢拳怒目増気力
足の厥陰肝経→肝に作用
気力・活力を高める
足腰の筋肉強化・下半身のシェイプアップにも効果的
肝は目とつながっているので、目に力を入れて見ることで、顔の血流が活発になり、頭部全体の血流も増える
肝は発散する役割もあるので、不要な気もこの動作によってよく出せる
第八段 背后七顚百病消
足の太陽膀胱経・任督脈→膀胱に作用
こわばった関節をほぐし、疲労疲労回復の効果
さまざまな病気を消す動作
かかとを上げてドンと落とす動作で、全身に強い刺激を与えられる
これは五臓六腑の按摩効果と骨と筋を調整する作用もある
全身の気血の巡りを活発化させ、全体のバランスも整えてゆく
以上が8個の動作それぞれの効果です。8段全部を通して行うのも効果ありますし、 気になる症状に作用する段だけを行っても効果が出ます。
動作の説明も今後アップしていきます。