かめの歩

のっそり ゆっくり 時々とまって ぼーっとして また歩こうかね。

陰と陽は対立する関係と前回書きましたが、どちらも変化しながら、その役割を交代していきます。
陽の勢いが極まると、陽を抑制するように陰の力が強まります。また陰の勢いが極まると、陽の力が強くなってくるのです。

太陽を例にして見てみましょう。太陽の光が強く明るい真昼は、陽の力が極まった時間です。午後になると、日は沈み始め、陽の勢いが弱くなってきて、反対に陰の勢いが増してきます。夜中に陰の力が極まると、夜明けに向かって陰の力が弱くなってきて、陽の勢いが増してきます。陰と陽はどちらかに偏らないように、バランスをとりながら変化しています。

陽に属するもの:天・太陽・昼・外向き・運動・剛・男性・上半身・こども
陰に属するもの:地・月・夜・内向き・静止・柔・女性・下半身・親

皆様のイメージ通りの分類になっているのではないでしょうか?
しかし、さらに陽の中に陽と陰があり、また陰の中に陽と陰が存在します。陰陽の属性は絶対的なものでは無く、相対的なもので変化していくのです。

親子の関係を例に見てみましょう。こどもは陽で、親は陰です。自分の親と対している自分は陽ですが、自分のこどもと対している自分は陰となります。

また、陰と陽は互いに依存した関係でもあります。天が無ければ、地もありません。外向きが無ければ内向きもありません。陰と陽は、常に変化という運動を繰り返し、互いのバランスを取っているのです。

東洋医学では、人間のからだも自然と同じく、陰陽のバランスをとるべく常に変化し続け、そのバランスが崩れた時に病気や痛みが出ると考えます。気功や漢方薬は、体内の陰陽のバランスを整えることで、その人が心身共に健康になることを目的としています。